「見守る育児の知恵袋」では、「太陽の声かけ・対応」というカテゴリーがあります。
これは、有名なイソップ物語「北風と太陽」から着想を得たものです。
「北風と太陽」のお話は、どちらが強いか議論していた北風と太陽が、道行く旅人の上着を先に脱がせた方が勝ち、というルールで、決着をつけようとしたお話です。北風は、風を吹いて上着を飛ばそうと考えたのですが、風が強く吹けば吹くほど、旅人はますます上着をしっかりと抑えてしまい、失敗しました。反対に太陽は、最初は穏やかな日差しを旅人に注ぎ、段々と光を強くしていきました。するとついに、暑さに耐えられなくなった旅人は上着を脱ぎ、太陽の勝ちとなったというのが結末です。
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子どもにイソップ物語の読み聞かせをしていて、「世の中で上手くいかないことって、全部これで説明がつくなぁ」と思っていました。
そして子育てに悩むお母さんお父さんとお話をするようになって、気づいたことがあります。
それは、子どもの問題行動に悩んでらっしゃったり、子どもと上手くいっていないと感じていらっしゃる方は、たくさんの愛情があるのに、子どもへの言葉や対応が北風のように強くなってしまうことが多く、負のループに陥ってしまっている、ということです。
「子どもには自分と同じ失敗をして欲しくない」
だってその子を大切に思っているから。
「子どもには、こんな風になってほしい」
だってそしたらきっと、大切な我が子は幸せになれるから。
「子どもにはこんなことを習ってほしい」
だってそしたらきっと、大事な我が子はこんなこともできるようになるから。
だから、一生懸命塾に入れたり、英語教室に入れたり、習い事をさせたりするんですよね。
でもね、ちょっと待ってくださいね。
その時に、どんな言葉や対応をしていますか?
「なんでこんなのもできないの?」
「あなたと同じクラスのあの子はこんなこともできるのに。」
「英語くらいできないと将来困るよ!」
「勉強しなさい!」
「勉強しないなら、お小遣いはなし!」
...ドキッとしてしまうかもしれないですね。
これらはついつい言ってしまいがちな、北風の声かけですね。
日本では特に戦争の体験もあり、我慢をすることが美徳という文化でしたし、体罰は当たり前の時代もありました。
そんな時代を知っている方の中には、ハッパをかけてど根性精神で頑張ってほしい!我が子には強くなってほしい!と思って、北風の声かけをしてしまう、そんな時もあるかもしれません。
1回2回だったら子どもの心も閉じてしまうことはないかもしれません。
でも、これが、日々重なって、頻度が多くなってくるとどうでしょう?
しかも毎日毎日顔を合わせる親から北風の声かけを受け続ける。
心のドア(旅人の服)はどうなってしまうでしょうか?
そうなんです、旅人が北風に強く吹かれたせいで、よりしっかりと上着を押さえつけたように、将来的に自分の子どもの心が固く固く閉じてしまうようになる可能性が高くなってしまいます。
やる気が起きない、好きなことが分からない、いざという時に頑張れない子どもになってしまうかもしれない。
元は親の「大切な我が子のため」だったのに、とっても悲しく、苦しい結果になってしまうかもしれない。
でも、これらはちょっと視点と言い方を変えるだけで、太陽の声かけに変えることができます。
だから、「今まで北風の声かけや対応しかしてないから、もううちの子どもはダメだ。」なんて思わなくていいんです。
今日この瞬間から、少しでも太陽の声かけや対応をしてあげることで、日々の生活のストレスが減り、ご両親も子どもも、みんなが幸せな人生をもつことが可能になります。
そんなきっかけに少しでもなれば、と思い、「太陽の声かけ・対応」というカテゴリを作りました。
もし「こんな場合はどうなんだろう?」ということがあれば、お気軽にお問合せフォームやコメント欄にコメントを残してくださいね。
記事でお答えしていこうと思います。
今日も一緒に、みんなが幸せになる瞬間を増やしていきましょう♪